2009年2月6日金曜日

ubuntuにicewmを入れる

 icewm はWindowsXPのクラシックメーニューに似ている外観を持ったウィンドウマネージャーです。 GNOMEやKDEのような総合デスクトップ環境とは違いますが、驚くほど軽量なWMとなっています。ゴテゴテした装飾や、親切設計はいらない、なによりもメモリが少なくてGNOMEが重いという人にぴっったりなウィンドウマネージャーです。
 実はちょっと前までxfceを入れていたんですが、GNOMEと比べて劇的にメモリ使用量が減るわけでもなく、操作感もほとんどGNOMEを一緒なので、「じゃあGNOMEでいいじゃんw」と思ってだんだん使わなくなっていきました。そんな中、前から気になっていた icewm を試してみたらとても軽くてこれは良いと。




インストール

sudo apt-get install icewm icewm-gnome-support icewm-themes
 インストールし終えたら、gnomeからログアウトし、ログイン画面のセッションでicewmを選択すれば立ち上がります。初期状態では壁紙もなく質素で非常に使いずらい状態です。
 icewm の設定は~/.icewm/以下の設定ファイルを編集することで行ないます。サンプルが/usr/share/icewm/以下にあるので、それをコピーして使ってもいいでしょう。

設定


 設定は各種設定ファイルをテキストエディタで編集することで行ないます。設定のサンプルは、/usr.share/icewm/ 以下にありますので、それらを ~/.icewm/ 以下にコピーして編集するといいでしょう。
 各設定ファイルは以下のようになっています。


~/.icewm/menuメニューの内容を設定
~/.icewm/preferencesicewmの設定
~/.icewm/startupスタートアップファイルの設定
~/.icewm/themeテーマを設定
~/.icewm/toolbarタスクバーの設定


設定の反映方法
 menuなどは即座に反映されるようですが、preferenceなどはicewmを再起動しないと反映されないようです。
 メニューからicewmを再起動してください。


フォント
 ~/.icewm/preferences に記述します。以下私の設定例です。

# フォントの設定。
itleFontNameXft="sans-serif:size=12"
MenuFontNameXft="sans-serif:size=12:bold"
StatusFontNameXft="monospace:size=12:bold"
QuickSwitchFontNameXft="monospace:size=12:bold"
NormalButtonFontNameXft="sans-serif:size=12"
ActiveButtonFontNameXft="sans-serif:size=12:bold"
NormalTaskBarFontNameXft="sans-serif:size=11"
ActiveTaskBarFontNameXft="sans-serif:size=11:bold"
ToolButtonFontNameXft="sans-serif:size=12"
NormalWorkspaceFontNameXft="sans-serif:size=12"
ActiveWorkspaceFontNameXft="sans-serif:size=12"
MinimizedWindowFontNameXft="sans-serif:size=12"
ListBoxFontNameXft="sans-serif:size=12"
ToolTipFontNameXft="sans-serif:size=12"
ClockFontNameXft="monospace:size=10"
ApmFontNameXft="monospace:size=12"
InputFontNameXft="monospace:size=12"
LabelFontNameXft="sans-serif:size=12"

アプリの文字が小さい
 ~/.icewm/preferences でicewm のフォント周りの設定は出来たのですが、アプリの文字サイズがGNOMEと比べて小さいまま変更が出来ませんでした。
 この問題は ~/.Xresource
Xft*dpi:       96
と記述することで解決しました。dpiをきちんと設定しないといけなかったんですね。
 Xを再起動すれば反映されます。あるいは、
xrdb ~/.Xresource
とします。

その他の設定

 設定例です。~/.icewm/preferences に記述します。

# タスクバーを上に表示する。
TaskBarAtTop = 1
# 時刻表記の設定。
TimeFormat="%m/%d(%a)%R"
#LCDっぽい画像で時計を表示しない。
TaskBarClockLeds = 0
#ウィンドウ移動時、ワイヤーフレームにする。
OpaqueMove = 0
#ウィンドウリサイズ時、ワイヤーフレームにする。
OpaqueResize = 0
# ワークスペースの設定。
WorkspaceNames=" 1 ", " 2 ", " 3 ", " 4 "
# Alt+Tab キーが、どのワークスペースにあるウインドウにも切り換えます。
QuickSwitchToAllWorkspaces = 1
# マウスが画面端にきたらワークスペースを移動する。
# EdgeSwitch=1



#キーボードショートカット
# ワークスペース切り替え。
KeySysWorkspace1="Ctrl+1"
KeySysWorkspace2="Ctrl+2"
KeySysWorkspace3="Ctrl+3"
KeySysWorkspace4="Ctrl+4"


# 壁紙の設定。
DesktopBackgroundImage="/home/hoge/Pictures/Wallpapers/hogehoge.jpg"

# icon path
IconPath="/usr/share/icons:/usr/share/pixmaps"


スタートアップの設定

 ~/.icewm/startup に記述します。以下設定例。
#!/bin/sh

/home/hoge/.dropbox-dist/dropboxd &
pidgin &
gnome-terminal &
checkgmail &
xscreensaver -no-splash &
 保存したら ~/.icewm/startup ファイルに
chmod +x ~/.icewm/startup
として実行属性を付けて下さい。
 上記例では、Dropboxの同期を行なうデーモンとgnome端末、Gmailをチェックするcheckgmail、そしてスクリーンセーバーを起動時に実行するようにしています。

メニューの設定

 ~/.icewm/menu を編集します。
 メニューの設定は簡単です。上に書いたものが上になります。書式は、
prog 名称 アイコンファイル名 プログラム名
各要素は空白またはタブで区切ります、
 入れ子にする場合は、
menu "サウンド" folder {
prog "Amarok" /usr/share/pixmaps/amarok.xpm amarok
prog "audacious" /usr/share/pixmaps/audacious.xpm audacious
prog "streamtuner" /usr/share/pixmaps/streamtuner.png streamtuner
}
 などと記述します。以下設定例。

# icewm menu configuration -*- mode: conf-unix -*-
#
#

prog "rox-filer" /usr/share/rox/images/application.png rox
prog "gnome-terminal" gnome-terminal gnome-terminal
# ■△○ 問題を解決。
prog "g-terminal" gnome-terminal env VTE_CJK_WIDTH=1 gnome-terminal
prog "JD" jd jd
prog "Mozilla Firefox" /usr/lib/firefox-3.0.6/icons/mozicon128.png firefox
prog "Emacs23" /usr/share/icons/emacs-snapshot/emacs16_mac.png emacs-snapshot
separator
menu "アプリ" folder {
menu "OpenOffice" folder {
prog "OpenOffice 2.4 Calc" ooo-calc.png env SAL_EMBEDDED_BITMAP_PRIORITY=0 ooffice -calc
prog "OpenOffice 2.4 Writer" ooo-writer.png env SAL_EMBEDDED_BITMAP_PRIORITY=0 ooffice -writer
prog "OpenOffice 2.4 Draw" ooo-draw.png env SAL_EMBEDDED_BITMAP_PRIORITY=0 ooffice -draw
prog "OpenOffice 2.4 Impress" ooo-impress.png env SAL_EMBEDDED_BITMAP_PRIORITY=0 ooffice -impress
prog "OpenOffice 2.4 Base" ooo-base.png env SAL_EMBEDDED_BITMAP_PRIORITY=0 ooffice -base
# prog "OpenOffice 2.4 Math" /usr/share/icons/hicolor/16x16/apps/ooo-math.png /bin/sh -c "openoffice.org2.4 -math"
}
}
menu "ネット" folder {
}
menu "メディア" folder {
menu "サウンド" folder {
prog "Amarok" amarok amarok
prog "audacious" audacious audacious
prog "streamtuner" streamtuner streamtuner
prog "decibel-audio-player" decibel-audio-player decibel-audio-player
}
menu "動画" folder {
prog "Totem(GStreamer)" totem totem-gstreamer
prog "Totem(xine)" totem totem-xine
prog "mplayer" mplayer gmplayer
prog "VLC" vlc vlc
}
menu "画像" folder {
prog "gpicview" gpicview gpicview
prog "mirage" mirage mirage
prog Gimp gimp gimp
prog "comix" comix comix
}
}
menu "tool" folder {
prog "screenshot" /usr/share/icons/HighContrastLargePrintInverse/48x48/apps/gnome-screenshot.png gnome-screenshot --interactive
}
separator
menu "設定" folder {
prog "アプリの追加と削除" - gnome-app-install
}


ツールバーの設定

 ~/.icewm/toolbar に記述します。
 menu の書式と同じです。以下設定例。

prog "rox-filer" /usr/share/rox/images/application.png rox
prog "gnome-terminal" gnome-terminal env VTE_CJK_WIDTH=1 gnome-terminal
prog "JD" jd jd
prog "Mozilla Firefox" /usr/lib/firefox-3.0.6/icons/mozicon50.xpm firefox
prog "gama" - gamma

テーマ

 メニューのSetting→テーマにいっぱいあるので、そこから選択します。

●私のオススメのテーマはこちらをどうぞ

ファイラ

 統合デスクトップ環境ではありませんので自分で用意します。
 ファイラはroxを使用することにしました。軽いのが特徴です。以前から使用していたので違和感なく移行。

デスクトップ

 icewm にはデスクトップにモノが置けません。ですのでデスクトプを管理するプログラムを別に用意してあげなければいけません。今のところ私は必要ないので導入していませんが、roxのデスクトップ管理機能を利用すればいいでしょう。


まとめ

 基本的に設定したらicewmを再起動させて反映の繰り返しです。設定項目に関しては、サンプルを見るのが一番です。ドキュメント類は古く記載漏れがあります。
 GNOMEと比べてメモリ使用量が激減しているのに気づくでしょう。逆い言えばハードウェアリソースに制約のない最新PCを使用している人にとっては導入するメリットはないでしょう。

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